さて、質問です。
「尿もれ」は男性と女性どちらが多いでしょうか?
答えは、「女性」です。簡単でしょ(笑
だって、女性は尿道が短いため、その分、男性に比べて「尿がもれやすい」んですよ。
男性は女性と比べると尿道が長いため、確かに女性に比べて「尿もれ」が少ないのです。
でも、逆に男性は排尿関係の他のトラブルになりやすいと言われています。
特に、膀胱のすぐ下、尿道を取り囲むようにある前立腺が、排尿のトラブルを複雑にして、排尿の治療を難しくしているのです。
前立腺肥大症が非常に多い理由とは?
男性特有の前立腺肥大症が多い理由は、実は全ての男性が年齢を重ねるごとに、ほぼ前立腺が大きくなるからです。ある程度の年齢となって、なんらかの排尿症状を訴えると、素人考えではまず「前立腺肥大による頻尿」を疑ってしまうわけです。
前立腺肥大症スコア(IPSS)が全てでない!
前立腺肥大症が疑われる場合、国際前立腺症状スコア(IPSS)といった指標を用いて測定されます。
このIPSSスコアは、確かに前立腺肥大症の男性ではスコアが高くなって、治療することによって、スコアが低くなります。IPSSスコアは、前立腺肥大症の評価または治療に利用することは大変便利なのです。
前立腺肥大症スコア(IPSS)で注意することとは?
実は、IPSSスコアは前立腺肥大症でなくても高くなることがあるので注意です!ほかの病気と区別するために使われることはありません。
お医者さんにはむかうわけではありませんが、ときどき前立腺肥大症スコアが誤って使われる時があると聞いています。
頻尿や尿漏れといった排尿トラブルを訴えた男性が病院に行くと、考えもなく「とりあえずIPSSスコア」が測られることがあります。そして、スコアが何点以上だったかで、勝手に前立腺肥大症と判断されてしまうことがあるので、注意が必要です。
やっぱり、貴方の頻尿は前立腺肥大症とは限らない!
男性の排尿トラブルは、前立腺の大きい小さいだけで判断できる問題じゃないです。
夜間にトイレに起きて行くといった動作といった夜間頻尿、夜間多尿といった症状だけでは、ただ単に前立腺肥大ではなくて、現往や既往歴、内服薬といったことから生活パターンなど、複合的に判断する必要があるからです。
もしかしたら、前立腺癌かもしれませんし、膀胱癌や、過活動膀胱といった排尿機能の変化かもしれないのです。
重要なのは、トイレが近くなった、トイレに起きるようになったからといって、「前立腺肥大症」だと決めつけるのはNGということです。
生きている以上は、食事や睡眠と同様に、排泄は欠かせません。
トイレの問題や悩みは、一人で考えずに泌尿器クリニックや専門医に相談するなどしてくださいね。