過活動膀胱の診断|治療と対策|セルフケア

過活動膀胱の対策に集尿器Mr.ユリナー

 

過活動膀胱(頻尿・尿漏れ)の診断・治療と対策・セルフケア

2002年頃までは泌尿器科での過活動膀胱の診断は煩雑な検査がされていた(とのこと?)。しかし、現在ではそうした煩雑な検査の必要はなくなって、患者様の自覚症状や排尿日誌などの結果から診断ができるようになっています。

これまで出口の見えない排尿トラブルに悩んでいた患者様も、泌尿器科を受診することで、自身を苦しめていた症状の正体を知って、頻尿の解決への筋道を立てることができるようになりました。

では、泌尿器科外来ではどのような過活動膀胱の診断をおこなって、過活動膀胱・頻尿・尿もれの治療を行うかを整理していきます。あわせて、過活動膀胱の対策とそのセルフケアについても整理していきます。

過活動膀胱・頻尿・尿漏れの最新診断とは?

過活動膀胱・頻尿・尿漏れの最新診断

診断患者さまの、主訴が決め手

過活動膀胱の症状は、具体的には以下のような症状です。

  • ①尿意切迫感(我慢できないような強い尿意を感じること)
  • ②日中および夜間の頻尿(頻繁に排尿したくなること)
  • ③切迫性尿失禁(排尿を我慢できずに尿を漏らしてしまうこと)

 

少なくとも上記の①と②の症状があって、その原因がハッキリしない場合、過活動膀胱と診断されます。

これは、家族などの客観的な見解ではなくて、患者さん自身の主訴によります。そのため、お医者さんは、どのような症状で困っていたかを細かく問診しますが、患者様の思い違いで答えることもあるため、過活動膀胱症状質問票を用いることがあります。

トイレに行きたい我慢できない

 

この質問票は、診断とともに重症度を判定する目安にもなっています。過活動膀胱かの診断は「急に排尿がしたくなり、トイレを我慢することが難しいことがありましたか(尿意切迫スコア)」が2点以上で、合計点数3点以上が目安となります。重症度を判定するには、合計スコアが5点以上で軽症の過活動膀胱、6~11点が中等症の過活動膀胱、12点以上が重症の過活動膀胱と、おおよそ判断されます。

 

なお、泌尿器科へ行く前には、排尿日誌をつけておくことをお薦めします。1回の排尿量や1日トータルの排尿量が明確になることで、より具体的に日ごろの排尿状況がわかって、診断に役立ちます。

【過活動膀胱(頻尿・尿漏れ)の質問票】

過活動膀胱症状の質問票

Q1.朝起きたときから寝るときまでに、何回くらい排尿をしたか?
A1.7回以下・・・0点 / 8~14回・・・1点 / 15回以上・・・2点

Q2.夜寝てから朝起きるまでに、何回くらい排尿をするために起きたか?
A2.0回・・・0点 / 1回・・・1点 / 2回・・・2点 / 3回以上・・・3点

Q3.急に排尿がしたくなり、排尿を我慢することがむずかしいことがあったか?
A3.なし・・・0点 / 週に1回未満・・・1点 / 週に1回以上・・・2点 / 1日1回くらい・・・3点 / 1日2~4回・・・4点 / 1日5回以上・・・5点

Q4.急に排尿がしたくなり、我慢できずに尿をもらすことがあったか?
A4.なし・・・0点 / 週に1回未満・・・1点 / 週に1回以上・・・2点 / 1日1回くらい・・・3点 / 1日2~4回・・・4点 / 1日5回以上・・・5点合計点数が5点以下・・・軽症6~11点・・・中等症12点以上・・・重症

※日本排尿機能学会「過活動膀胱治療ガイドライン」より改編・引用

過活動膀胱の判断は、ほかに原因となる病気がないことが条件

頻尿や尿意切迫感といった過活動膀胱と同じ症状を呈する病気に「間質性膀胱炎」や「細菌性膀胱炎」などがあげられます。

頻尿の原因は過活動膀胱だけでない

このような頻尿となる原因は、過活動膀胱に限らないので、過活動膀胱の診断には「ほかに原因となる病気がないこと」が条件で、膀胱周囲の病気がある場合は、除外されます。

  • 前立腺・尿道の異常 : 前立腺がん、尿道結石など
  • 尿路性器感染症 : 細菌性膀胱炎、前立腺炎、尿道炎など
  • 膀胱の異常 : 膀胱がん、膀胱結石、間質性膀胱炎など
  • 膀胱周囲の異常 : 子宮内膜症など
  • 尿閉(尿の排出経路が閉じられて尿が出なくなる)
  • 多尿(尿量が異常に増える)
  • 心因性頻尿(精神的、気分的な原因によって頻繁に排尿したくなる)

 

下部尿路機能に病気があるかどうかの判別は、すぐにわかるように簡単ではありません。こうした病気の兆候がないかどうかを知るため、全身状態をチェックして、必ず尿検査が行われます。必要に応じて腹部の超音波検査がされることもあります。

尿検査は、健康診断や人間ドッグなどで多くの人が受けたことがあるはず。検尿カップに中間尿をとるだけの簡単な検査ですよね。尿検査で尿がにごっていたり、潜血(肉眼では見えない血)があったり、排尿時痛の訴えがあったりする場合は細菌性膀胱炎、明らかな血尿がある場合は膀胱がんや膀胱結石などが疑われて、それらに特化した別の検査を行っていくこととなります。

頻尿・尿もれ・尿意切迫感によるQOLへの影響とその評価

頻尿尿漏れ尿意切迫感による影響

過活動膀胱や尿意切迫感・切迫性尿失禁の心配からの影響とは

  • ところかまわず突然起きる尿意とトイレに行きたい気持ちで仕事にならない
  • 外出中もトイレが頭から離れないで気が気でない
  • トイレが近くて好きなスポーツや趣味もできない
  • トイレが気になって外出や旅行にも行けない

 

このように自分の意思とは関係なく起こるトイレが近い、おしっこを我慢できずに漏らすときがある、おしっこを漏らしてしまわないか心配だといったような排尿トラブルが日常生活に与える影響は、数え上げたらきりがありません


過活動膀胱・頻尿は、主に自覚症状に基づいて診断されますが、それと併せて、どのくらい本人の日常生活に影響をおよぼし、生活の質(QOL)を低下させているのかも、大切な診断材料となります。泌尿器科はじめとする診察では、日ごろの生活・身体活動や対人関係、仕事、精神面、睡眠などでどのくらい困っているかを評価するために、生活の質(QOL)を評価する質問票「KHQ(King Health Questionnaire)」などを用いて、質問されることもあります。

過活動膀胱が生活に与える影響

KHQ(過活動膀胱)が生活に与える影響に関する質問票

※日本排尿機能学会「過活動膀胱治療ガイドライン」より改編・引用

《この2週間のあなたの状態を思い起こしてください》
Q1.あなたの現在の全般的な健康状態はいかがですか?
Q2排尿の問題のために、生活にどのくらい影響がありますか?

《仕事家事の制限》
Q3-1.排尿の問題のために、仕事や家事(掃除、買い物、電球の交換などの作業)をするのに影響がありますか?
Q3-2.排尿の問題のために、仕事や自宅外での日常的な活動に影響がありますか?

《身体的・社会的活動の制限》
Q4-1.排尿の問題のために、散歩・走る・スポーツ・体操などの体を動かすことに影響がありますか?
Q4-2.排尿の問題のために、バス、車、電車、飛行機などを利用するのに影響がありますか?Q4-3.排尿の問題のために、世間的なつきあいに影響がありますか?
Q4-4.排尿の問題のために、友人に会ったり、訪ねたりするのに影響がありますか?

《個人的な人間関係》
Q5-1. 排尿の問題のために、伴侶、パートナーとの関係に影響がありますか?
Q5-2. 排尿の問題のために、性生活に影響がありますか?
Q5-3. 排尿の問題のために、家族との生活に影響がありますか?

《心の問題》
Q6-1. 排尿の問題のために、気分が落ち込むことがありますか?
Q6-2. 排尿の問題のために、不安を感じたり神経質になったりすることがありますか?
Q6-3. 排尿の問題のために、情けなくなることがありますか?

《睡眠・活力(エネルギー)》
Q7-1. 排尿の問題のために、睡眠に影響がありますか?
Q7-2. 排尿の問題のために、疲れを感じることがありますか?

《自覚的重症度》
Q8-1.「尿取りパッド」や「紙おむつ」を使いますか?
Q8-2.トイレを我慢するために、水分をどのくらい摂取するか注意しますか?
Q8-3.尿漏れ、軽失禁などで下着が濡れて取替えなければならないですか?
Q8-4.尿漏れ、軽失禁での尿のにおいがしたらどうしようかと心配ですか?
Q8-5.尿を漏らしたなど、排尿の問題のために恥ずかしい思いをしますか?

過活動膀胱が自身の生活にどのような影響を与えているのか、客観的に評価できます。

 

外出時のトイレの不安は集尿器「Mr.ユリナー」で解決

Mr.ユリナー装着イメージ

過活動膀胱はじめ前立腺がんや前立腺肥大の手術、放射線治療後の頻尿・尿漏れは、生活への影響が大きい場合があり、排尿トラブルのせいで、今まで送っていたようなアクティブライフが奪われる危険性があります。いわば体は元気だけれども、トイレのことだけが問題といった状況。そんなときは、薬の服用とあわせて「おむつ」を使ったり「集尿器」を使ったりして、排泄トラブルの問題を解決してアクティブライフを取りもどすことも一考です。

 

集尿器「Mr.ユリナー」とは?

「Mr.ユリナー」とは、ズボンの中にこっそり隠しておく「トイレ」です。ズボンの中に尿瓶を隠しいれておくようなイメージです。ということは、いつでもズボンの中にトイレがあるわけですから、「いつでもトイレができる」ようになる商品です。

Mr.ユリナー装着画像

知らない土地でのトイレ探し

遠出をするときのトイレの心配

急に襲われるトイレの恐怖

電車やバスに乗っているときに、尿意に襲われないか心配

Mr.ユリナーを装着していると、こういった心配がありません。人ごみの中でも、電車の中だろうとバスの中だろうと、誰にも気づかれずに「おしっこ」することができるのです。排尿後は集尿ボトルに尿がたまるので、後はトイレに尿を捨てるだけ。

Mr.ユリナーの開発経緯は?

弊社の開発部門が考案したわけではなく、実際にトイレが近くて外出に困った74歳の男性が手作りで尿器を作ったところからはじまりました。「おむつ」を否定するわけではありませんが、誰が好き好んで「おむつ」をしたいのでしょう?今日は、忙しいからトイレに行くのが面倒なので「おむつ」を使おうと思いますか?やっぱり、トイレで排尿したいという思いは、人間の尊厳を保つうえで重要なことでしょう。

尿漏れと頻尿の症状に困り、排尿トラブルの原因と対策に悩まされた74歳の男性は、「おむつ」ではなくて、「トイレ」で排尿したいと考えて、ズボンの中に隠す小型トイレの集尿器「Mr.ユリナー」を考えたのです。

Mr.ユリナーをトイレで紹介

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2019年01月20日