前立腺肥大の主な影響は?
前立腺肥大が下部尿路機能に与える主な影響(症状)は、1つの症状が現れるだけでなく、多くの方が様々な症状をあわせてもっています。
具体的な症状は以下の通りなので、
こういった症状があれば、前立腺肥大の疑いがあります 。
- “おしっこ”を出した後も、まだ残っている感じがある
- トイレに何度も行きたくなる
- “おしっこ”が途中で途切れる
- 急にトイレに行きたくなる
- おしっこの勢いが弱くなってきた
- おなかに力を入れないと”おしっこ”が出ない
- 夜間に1回以上、トイレに起きる(症状が続く)

前立腺肥大症の治療法は?
前立腺肥大症の治療は、大きく2つにわけて"薬物療法"と"手術療法"があります。
薬物療法(前立腺肥大症)
・5α還元酵素阻害薬・抗男性ホルモン薬
前立腺を小さくして、尿の出をよくする薬です。
・α1遮断薬
前立腺や尿道の過緊張状態を緩和して、尿の出をスムーズにする薬です。尿の出をスムーズにすることで、膀胱が過敏になっている状態(頻尿)を和らげることもあります。
・PDE5阻害薬
前立腺や尿道にある血管を広げて、血流量を増やし、尿の出をよくする薬です。
・漢方薬・植物エキス製剤など
前立腺の炎症を抑えたり、前立腺肥大症の症状を和らげる薬です。
前立腺肥大の手術療法
薬物療法で効果が出ない場合や症状が重い場合には手術を行うことがあります。代表的な手術の例としては、尿道から内視鏡を入れて電気メスなどで前立腺を切除し尿道を確保する”TURP(ティーユーアールピー)”手術や、レーザーで切除する”HoLEP(ホーレップ)”という方法があります。

前立腺肥大症以外の尿トラブルの原因とは?
前立腺肥大症以外の尿トラブルで、よくある原因は以下のとおりです。
前立腺がん
前立腺がんは、主に前立腺の外側に生じます。前立腺がんの症状は、進行するまで判明しない(みられない)ことが多く、はじめのうちは尿のトラブルが起こりにくいことが特徴です。
一方、前立腺肥大症は前立腺の内側が肥大しますが、前立腺肥大が前立腺がんになることはありません(ただし、前立腺がんと前立腺肥大が同時に存在することもあり)。血液検査(PSA検査)により、前立腺がんの可能性を調べることができます。
膀胱がん
50歳以上の比較的男性に多い膀胱にできるがん。頻尿やおしっこしたのに膀胱に尿が残っていると感じる残尿感や痛みを伴わない血尿などがみられます。
下部尿路機能の感染症(急性の前立腺炎・膀胱炎・尿道炎)
細菌感染によって炎症を引き起こします。発熱、頻尿、尿失禁、排尿時の痛みなどがみられます。
過活動膀胱
膀胱が勝手に縮んだり、膀胱が敏な働きをするために、尿が充分にたまっていないうちに、トイレが急に我慢できないほどの強い尿意が起こります。
その他の排尿トラブルの原因
尿路結石、精神的要因、神経性頻尿、心因性頻尿、また服用中の薬などが原因となっている場合もあります。

前立腺肥大を予防しよう!
日常生活で注意すること7か条はこれ!
前立腺肥大症は、日常生活を少し工夫するだけで、
症状をある程度軽くすることができます。
日頃から尿路機能”おしっこ”の排尿状態を悪化させない生活習慣を心がけよう!
- 適度に水分をとるように(ただし過剰に水分をとりすぎないこと)
- アルコールやカフェインを含む飲料はほどほどに
- 軽い体操や散歩など適度な運動をするように
- 便秘にならないように
- 刺激の強い食べ物は避けるように
- 下半身を冷やさないように
- 運転などの長時間座ったままの姿勢は控えるように

“下部尿路機能”の状態をチェック!
以下の項目で複数にわたって、あてはまるようであれば、
前立腺肥大の傾向がありますので、泌尿器科などを受診しましょう
- “おしっこ”をした後に、まだ”おしっこ”が残っている感じがある
- “おしっこ”をして2時間以内にもう一度おしっこをしなくてはならない時がある
- “おしっこ”をしているときに、何度も”おしっこ”が途切れるときがある
- “おしっこ”を我慢することが難しいときがある
- “おしっこ”の勢いが弱いときがある
- “おしっこ”の時におなかに力をいれることがある
- 夜寝てから朝起きるまで、何回か”おしっこ”のために起きる
複数にわたって、ときどきある・ほとんどいつもが当てはまる方は、泌尿器科の医師に相談してみてください。
出すことは食べることと同様に大切です。ひとりで悩まずに必ず医師やまわりの関係者に相談してみましょう!
失禁対策に集尿器"Mr.ユリナー"という選択肢
前立腺肥大や前立腺がんによる頻尿・尿失禁は、
泌尿器科での薬服用や手術などで解決できますが・・・
しかし薬の服用だけでは効果が低い場合もあり、そのような場合は"おむつ"や"尿とりパッド"そして"集尿器"といった排泄用具を利用することも視野に入れたほうが良い場合があります。
"脱おむつ"を推奨する理由
トイレが近いからといって、"おむつ"を好んでしますか?やっぱりトイレで排尿したいのは、皆さんが共通して願うことではありませんか?"おむつ"は決して悪いものではありませんが、何かの事情があって"おむつ"を使用せざるをえない場合を除いては、極力使いたくないものですよね。
排泄ケアはデリケート|自尊心・羞恥心を傷つけないように
では、トイレに間にあわない、トイレで排尿したいけれどもトイレに行けない、排泄の自立を希望するけれども思うようにいかない。こういった症状のときに、すぐに"おむつ"や"尿とりパッド"に走ってしまうのだけはやめましょう。
(写真はMr.ユリナーを装着した利用者様の例)
集尿器"Mr.ユリナー"は、あたかもトイレで排尿しているような排尿感が得られる
"おむつ"や"尿取りパッド"の前に、集尿器や尿瓶といった小さなトイレを検討することもよいです。
Mr.ユリナーは、ズボンの中にこっそりと忍ばせておくトイレ
トイレに行かなくても、ズボンを履いたままの状態で、自然な排尿感が得られるのが特徴です。出した"おしっこ"は、導尿チューブの中を流れて[集尿ボトル]にたまります。溜まった"おしっこ"は、ズボンの裾をめくって、[集尿ボトル]を外して捨てるだけ。[集尿ボトル]の容量は250mlから、350ml,大容量の600mlまでのラインナップがあります。車椅子の方など、こまめに[集尿ボトル]にたまった"おしっこ"を捨てれない場合は、600mlの大容量を使うと良いでしょう。
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